LEDランタンがこれだけ数多くお店で売られている中でなぜ新たにLEDランタンを手がけることになったのかお話しできたらと思います。
まず目指したのは癒されるあかり
僕は、昔からランタン好きでいろいろなランタンを持っています。昔は、ガソリンやガスのランタンばかりコレクターしてましたが、最近はLEDランタンばかりになってきました。
メジャーなランタンはだいたい持っていると思います(笑)。
今売られているLEDランタンは、ひと昔前とは違って性能がどんどん良くなって、明るさ競争のような感じになってきているように思います。 実はめちゃくちゃ明るいあかりを実現するのはそんなに難しくはないんです。 基本的には、専用プログラムで消費電力を上げるだけです。 難しいのは、それで発生する熱をどう逃すかの放熱設計と、消費電力が増せば点灯時間が極端に短くなるので、それを解消するためにバッテリーを大きくしていくか高密度の特殊なバッテリーを使わなければなりません。そうすると本体は大きく重くなっていきます。 僕らは、この明るさ競争に単純に乗るよりも、毎日使いたくなるような情緒的な灯りを追求したいと考えました。 いろいろ調べていくと最も癒される効果が高い色温度(ケルビン)は「ロウソクの灯り」と同等の1900Kということがわかりましたのでまずはそれを目指しました。 このために、フィラメントタイプのLED基盤を選択しましたが、実際1900ケルビンを実現するのはそんなには難しくありません。しかしながら色傾向を理想的な色に近づけるのに多くのサンプルを作り調整を繰り返しました。 ここはメーカーとしてあまりこだわるところではないと思いますが、僕らは癒される色にこだわりました。ここに時間をかけたおかげで、下の写真のようなノスタルジックでありながら古さを感じさせないとても素敵な発行色になってくれたと思っています。
高照度400ルーメンのランタンモードも同時に搭載することに
どうせやるなら他のメーカーさんでは実現していない製品にしようということで、ランタンとしてもともと求められている大光量のLED光源も併せて天井部に搭載しました。この2つのまったく違うLED基盤を搭載するのは、比較的難易度が高い構造になります。 このランタンモードは、最大400ルーメンの非常にあかるい光です。キャンプシーンではメインランタンとしても十分使用することができます。ご飯を食べたり調理をするときには、最も明るいランタンモードがとても便利です。 高照度ランタンの色温度はほとんどが白色ですが、レトロパインは間接照明のような電球色系(2700ケルビン)に設定していますので、とても明るいけどやわらかく癒されるような発色にこだわりました。
シンプルにこだわった無段階調光のつまみ
そして、このフィラメントLEDと上部高照度LEDの切り替えを、つまみを回すだけのとてもシンプルな構造にしました。他には一切余計なボタンはありません。 最初スイッチが入ったらフィラメントLEDが点灯して、つまみを回すことで徐々に明るくなっていきます。さらに回していくと縦型フィラメントLEDが消灯し、天井部のランタンモードLEDが点灯します。 これが最も使いやすいスイッチの構造だと思っています。
特にこだわった防水性能
もう一つクリアしたかったのが防水性能です。最近の情緒系ランタンの多くは残念ながら防水が弱いので、実際のところ外で使うには不向きとなります。 防水が弱いということは密閉性も弱いということなので、湿気ほこりも入りやすく基盤が劣化しやすいとも言えます。 できればお風呂で使えるくらいの防水性を持たせたいと思い、密閉性についても追求しました。しかしながら、このシール性を高めようとすると、パーツも増え設計難易度も上がりますので、とたんにコストが上がりますので、ここのせめぎ合いが作り手としてとても難しいところです。 ただ、この防水性は妥協せずにこだわりさえすれば必ずできることなので、メーカーとして本当にいいものを作ろうとしているのかどうかの気持ちの表れだと僕は思います。 今回、こだわったおかげでIPX5という防水等級をクリアすることができましたので、外でもお風呂でも思う存分使うことができる仕様とすることができました。
カバーグローブもこだわりました
透明カバーグローブは、軽くて透明度の高いポリカーボネートを採用しました。加工性の高い樹脂のため、どうせならレトロ感を出すためにわざと凸凹になるよう加工を施しました。昭和初期のガラスは、精度が低かった故にゆがみがありましたがそれを再現しようと考えました。 こうすることで光が乱反射して綺麗に輝くことを期待したのですが、期待以上に美しくキラキラ輝いてくれます。
防災に使えるあかりとしてのこだわり
僕は、中越沖地震を経験し最も被害が酷かった地域でボランティアをさせてもらった経験がありますが、とにかく災害時のあかりの確保というはとても重要です。 夜に災害に会った時に暗闇の中では何もできません。中越沖地震のときには、みなさん車の中や倉庫、校庭などに設置したテントなどで過ごしていましたが、とにかく安定したあかりがほしいとおっしゃられていました。 そこで、防災で使えるランタンとしての機能を持たせようと考えました。まずは、一つ目が長時間点灯させることができる性能を目指しました。もし、何日間か避難するとなって充電できなくてもあかりを点灯し続けられるように、低ルーメン(10ルーメン)でも照らせるようにしました。 その結果、点灯しっぱなしでも約6日間(夜間だけ点灯させると約13日間)使用することができます。 それともうひとつ、何日も避難しなければならない災害に遭うことは稀ですが、日々の生活の中で雪や暴風などで停電することは良くあると思います。
レトロパインの電池はとても高性能なモデルを採用しました。 最低でも2ヶ月に1回程度充電してもらえれば、いつでも点灯させることができます。
いざというときに、点灯できる安心はとても大切なことだと思います。
とても軽くて意外にコンパクト
レトロパインランタンは、他社のミドルサイズランタンと比較して、かなり軽くてコンパクトな設計です。一般的には、高照度で長時間使用を可能にするためには大きなサイズが必要になりますが、バッテリー性能の向上とLED基盤のコンパクト化などの工夫で実現したサイズです。
また、重量もバッテリーを含めて349gと横のの500mlのペットボトルよりはるかに軽いです。だいたい、缶ビール一本と同じくらいの重さです。
実は、ボディーの白にもこだわりました。
スイッチつまみが付いているボディの白ですが、ここはABS樹脂を採用していますが、実は何色も色の配合をためして、この色に決めています。
僕が目指したのは、昭和の白物家電ような少しだけくすんだオフホワイトです。ここは、くすみすぎても古臭いだけになりますし、白っぽすぎると情緒が無くなるしの微妙なところを調整しながら色を作りました。 この白色は、特別に調合したグラノクスオリジナルカラーです。
取説には書いていない裏技
取説には書いていないのですが、とても便利な機構をご紹介します。実は内臓のバッテリーを抜いても通電するように回路設計をしています。バッテリーは充電を繰り返すことで劣化していきますが、毎日机の上やお店などで使う際には、バッテリーを抜いてもらって、直接USBケーブルから電源を取って点灯させることで、バッテリーを消耗させずにすみます。
外で使う時にバッテリーを入れれば良いので、できるだけバッテリーの寿命を伸ばすことができます。ぜひ、毎日ご使用になられる方はお試しくださいませ!
以上、レトロパインを企画開発するにあたって特にこだわって点についてご紹介させていただきました。 レトロパインは、僕が言うのも何ですが、可能な限り妥協なく作りましたので、今売られているランタンの中では、現時点で最も優れているLEDランタンと言えるかと思います。 価格的にも、小さな会社故に経費がかからないため、かなり抑えた価格にさせていただいてます。ですので、きっと満足していただけるものと思っています。 若干こだわり過ぎの面も否めませんが(笑)その分愛着を持ってお使いいただけたらたら嬉しいです^^ グラノクス平野
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